はじめに

特許とは

  特許とは、特許法により定められた特許権を付与されることをいいます。特許を取得するためには、特許庁に対して発明の内容を詳細に記載した書面を提出してその内容を審査してもらいます。審査の結果、特許を与えてもよいと判断されると、特許が付与されます。
  従って、必ず出願/申請すれば特許になるわけではないので、注意が必要です。審査を通過して特許を付与されるためには、いくつかの条件があります。具体的には、「産業上の利用可能性」、「新規性」、「進歩性」、「先願」等です。

出願/申請方法

  特許権を取得するためには、特許庁に対して所定の書面を提出しなければなりません。
  出願の方法は、電子出願と郵送の2通りがありますが、電子出願では専用ソフトのインストールや振替口座等の手続が必要となるため、郵送での手続をお勧めいたします。当サイトでは、郵送での手続を前提として解説しています。

必要書類

  特許出願に際し、以下の書類を提出する必要があります。

出願/申請方法

  特許庁の住所に送付します。願書に記載した【提出日】に出したことを証明する証拠となるため、書留等により送ります。また、誤配防止のため、封筒に赤字で「出願関係書類在中」と記載しておきます。

〒100-8915
東京都千代田区霞が関3丁目4番3号
    特許庁長官  宛

  また、出願書類を特許庁に直接持参してもよいです。特許庁の地図はこちらです。

《関連サイト》  特許庁(郵送先の案内)

願書

願書とは

  願書とは、書面の表紙に相当し、主に出願人及び発明者に関する情報を記入します。出願費用についても、願書に特許印紙を貼付することで納付します。出願費用は2016年の段階で\14,000です。
  願書のWORDファイルはこちらからダウンロードしてください。願書内の赤字は注意書きです。出願の際は消去してください。

《関連サイト》  特許庁(出願の手続)     特許庁(願書の記入例)

願書の書き方

  次に、願書の記載方法についてダウンロードした上記ファイルに従って説明します。

《関連サイト》  特許庁(願書の作成要領)←願書の記載方法が詳しく書いてある特許庁のHPです

【整理番号】

  整理番号の欄は、自分でわかりやすい整理番号を任意に記載します。例えば、PAT001などローマ字、数字、もしくは両者の組み合わせから任意に記載します。ただし、10文字以内で記載しなければなりません。【備考 6】

【提出日】

  郵送の場合は、差し出す日をなるべく記載します。消印が不明だと、特許庁に到達した日を出願日として認定されます。
  特許庁の窓口に直接持参する場合には、窓口に提出する日をなるべく記載します。

【発明者】

  発明者は、必ず人でなければいけません。従って、法人や団体は発明者になれません。発明者とは、発明をするにあたりそれに携わった方をすべて記載します。発明者が2人以上いる場合には、次のように記載します。
【発明者】
    【住所又は居所】
    【氏名】
【発明者】
    【住所又は居所】
    【氏名】

【住所又は居所】

  住所は、何県、何郡、何村、大字何、字何、何番地、何号のように詳しく記載します。また、会社、事務所等を居所として表示するときは 「○○株式会社内 「○○事務所内」のように 記載します。

【氏名】

  氏名の名字と名前の間は、1マス開けます。

【特許出願人】

  特許出願人は、人又は法人のいずれも記載することができます。ただし、法人格の無い団体は出願人になれません。また、個人事業主も屋号を記載することはできません。
  2名以上で共同出願する場合は、【発明者】と同様に下記のように記載します。
【特許出願人】
    【住所又は居所】
    【氏名又は名称】
    【代表者】
【特許出願人】
    【住所又は居所】
    【氏名又は名称】
    【代表者】

【氏名】

  出願人が人の場合は、氏名の横に印を押します。この場合。【代表者】の欄は不要です。出願人が法人の場合は、代表者の欄を設けて代表者の印を押します。【備考 11】

特許印紙の添付

  左上の余白に\14,000の特許印紙を貼付しなければなりません。さらに、その下にその額を括弧をして記載します。
【備考 5】

注意事項

  ダウンロードしたワードファイルの願書で、ページの余白や文字サイズ等は変更しないでください。参考までに、願書の書式では、余白は、少なくとも用紙の上に6㎝、左右及び下に各々2㎝、書き方は左横書、1行は40字詰めとし、1ページは50行以内、文字は、10ポイントから12ポイントまでとなっています。【備考 1~4】

明細書

明細書とは

  明細書とは、発明の内容を同業者が使える程度に詳細に記載した書面をいいます。従って、明細書では、発明の構成、作用、効果等詳細に記載しなければなりません。
  一度出願してしまったら、原則的に新たな事項は追加することができないので、書き漏れの内容注意してください。明細書は特許権の権利範囲ではありません。   明細書のWORDファイルはこちらからダウンロードしてください。明細書内の赤字は注意書きです。出願の際は消去してください。

《関連サイト》  特許庁(出願の手続)     特許庁(明細書作成例)

明細書の書き方

  次に、明細書の記載方法についてダウンロードした上記ファイルに従って説明します。ダウンロードした明細書には、特許庁から転載した明細書作成例の内容が記載されています。実際に明細書を作成する際の参考にしてください。

《関連サイト》  特許庁(明細書の作成要領)←明細書の記載方法が詳しく書いてある特許庁のHPです。

【発明の名称】

  発明の名称は、発明の内容を簡潔に表示するように記載します。【備考 13】

【技術分野】

  特許を受けようとする発明の属する技術の分野を記載します。【備考 14】

【背景技術】

  発明に関連する従来の技術を記載します。必須の項目でないため、省略することができます。もし、記載する場合は併せて【先行技術文献】の欄を設けて、特許文献やその他の刊行物を記載することが望ましいとされています。この項目も必須の記載事項ではありません。もし、先行技術文献を記載する場合は、以下のように書きます。
【先行技術文献】
    【特許文献】
    【0005】
    【特許文献1】  特開2003-000000号公報
    【特許文献2】  特開2004-000000号公報
    【非特許文献】
    【0006】
    【非特許文献1】  特許一郎著 「ハンドスキャナのいろいろ」特許出版 2003年

【発明の概要】

  【発明が解決しようとする課題】及び【課題を解決するための手段】の欄を設けます。【課題を解決するための手段】の欄は、特許請求の範囲の内容をコピーすればよいです。【備考 14ニ】

【発明の効果】

  特許を受けようとする発明が得られる、従来の技術との関連において有利な効果を記載します。従来技術に対する、発明の技術的優位性を主張するために重要な項目ですので、記載することをお勧めします。省略することもできます。発明の効果は、審査官から特許を受けることができない旨の「拒絶理由通知」を受理した際の反論材料となります。

【図面の簡単な説明】

  図の説明ごとに行を改めて「【図1】平面図」、「【図2】立面図 」、「【図3】断面図」のように記載します。図面は必須の書類ではないため、図面が無い場合には記載する必要がありません。

【発明を実施するための形態】

  同業他社の人間がこの記載を見たとき、発明の内容を実施できる程度に明確かつ詳細に記載する必要があります。【備考 14ホ】

段落番号

  明細書には、ダウンロードした書式に記載されているように、段落番号を付さなければなりません。段落番号は、基本的に見出し(【発明の効果】等)の後には必ず記載します。ただし、【特許文献1】や【非特許文献1】の後には不要です。【備考 18】

注意事項

  ダウンロードしたワードファイルの明細書で、ページの余白や文字サイズ等は変更しないでください。参考までに、明細書の書式では、余白は、少なくとも用紙の上下左右に各々2㎝、書き方は左横書、1行は40字詰めとし、1ページは50行以内、文字は、10ポイントから12ポイントまでとなっています。基本的に、記号や枠線、罫線等を記載してはいけません。【備考 1~4】
  以下、明細書を書く際の留意点です。

  • 明細書に記載する用語は、特許請求の範囲に記載した用語と統一することが好ましいです。異なる意味で使用する場合は、定義したほうがよいでしょう。
  • 登録商標はなるべく使用しないほうが良いです。使用する場合は、「ナイロン(登録商標)」のように記載します。実は知られていないけど登録商標である名称のリストは、こちらです。
  • 特定業界内でしか通用しない用語や、現場用語等は使用できません。言い換えて表現してください。また、別途定義してください。
  • 書き漏れがあった場合、出願した後に新たな事項を追記することはできません。出願の時点で漏れが無いようにしてください。
  • 物や構造の発明の場合には、図面を添付することをお勧めします。図面は、審査官の理解を助けるからです。
  • 審査官に「特許にできない」と言われたときに、審査官を説得して特許になるかどうかは、明細書の出来にかかっています。それくらい大事な書類だということを念頭に置いて、書き始めてください。初めて明細書を書く場合は、もう書ききれないくらい丁寧に書いたと思っていても足りないと考えてください。
  • 専門家が見ると、素人が書いた書面か否かは一発で分かります。弁理士に高いお金を払うことは、それくらい違いが出ると思ってください。もし、時間や金額に余裕があるなら弁理士にレビューしてもらうことをお勧めします。

特許請求の範囲

特許請求の範囲とは

  特許請求の範囲とは、特許として登録されたとき、その特許権の権利範囲を示す書面です。従って、「特許を侵害された」とは、特許請求の範囲に記載されている内容を第三者が実施することをいいます。
  明細書は、あくまで発明の内容を説明するための書面であり、特許請求の範囲は特許権の権利範囲を定める書面であると理解してください。特許請求の範囲の内容は、出願後であれば、明細書の範囲内で補正することができます。
  特許請求の範囲のWORDファイルはこちらからダウンロードしてください。特許請求の範囲の赤字は注意書きです。出願の際は消去してください。

《関連サイト》  特許庁(出願の手続)     特許庁(特許請求の範囲作成例)

特許請求の範囲の書き方

  次に、特許請求の範囲の記載方法についてダウンロードした上記ファイルに従って説明します。ダウンロードした特許請求の範囲には、特許庁から転載した特許請求の範囲作成例の内容が記載されています。実際に特許請求の範囲を作成する際の参考にしてください。

《関連サイト》  特許庁(特許請求の範囲の作成要領)←特許請求の範囲の記載方法が詳しく書いてある特許庁のHPです

請求項の記載方法

  請求項を複数記載する場合は、【請求項1】、【請求項2】のように小見出しを付します。請求項が1つだけの場合であっても、【請求項1】の小見出しを付してください。請求項の数が多くなると、審査官に審査をしてもらうための手続(審査請求)をする際の費用が高くなります。(2013年10月現在、請求項1つにつき4000円)
  請求項では、他の請求項を引用することができます。例えば、請求項1の内容をすべて含んでさらに限定を加えたい場合に引用します。ただし、引用する請求項はかならず前の請求項(数字の小さい請求項)から引用しなければなりません。【備考 14ハ】
  特許請求の範囲と明細書との記載は、整合性が取れている必要があります。つまり、明細書と矛盾した記載は認められません。また、特許請求の範囲で使用する語句は明細書と統一してください。【備考 14イ】

注意事項

  特許請求の範囲の作成時には、以下の点に注意して記載してください。

  • 特許請求の範囲では、記載すればするとほど内容が限定的になるため、権利範囲が狭くなると考えてください。
  • 明細書の【発明の効果】では、特許請求の範囲に記載した構成から得られる効果を記載します。従って、明細書の効果が得られる程度に、十分に構成を記載する必要があります。
  • 「Aと、Bと、Cと、Dと、を備え、Aはaであることを特徴とする光学機器」というように、光学機器を構成する要件を、A、B、C、Dというように列挙し、最後にAの内容を詳細に記載する記載方法が一般的です。
  • ダウンロードしたファイルに記載されている「該」とは、すでに出てきている用語であることを明らかにするために用います。「前記」でも構いません。2回目以降に出てくる同じ語句に付記してください。
  • 「~において」とは、特許の書面でよく目にする語句で、「~では」や「~には」に近い意味です。
  • 請求項の最後の語句(具体的には、ハンドスキャナ)は、発明の名称と統一する必要があります。従って、請求項1が「・・特徴とするハンドスキャナ」で請求項5が「・・特徴とする光学機器」の場合は、発明の名称は「光学機器及びハンドスキャナ」と記載します。
  • 特許が付与されるか否かは、特許請求の範囲に記載された発明が、従来技術に比べて、新規性があるか等が審査されます。多くの請求項を記載することにより、審査される項目が増え特許になる可能性が高くなります。ただし、費用も多くかかります。
  • 複数の発明を1つの出願で行うことはできません。例えば、請求項1が「・・を特徴とするハンドスキャナ」で請求項2が「・・を特徴とするマウスパッド」というような記載は認められません。
  • 明細書と同様に、登録商標を使用する場合は、その旨を記載してください。

注意事項

  ダウンロードしたワードファイルの特許請求の範囲で、ページの余白や文字サイズ等は変更しないでください。参考までに、特許請求の範囲の書式では、余白は、少なくとも用紙の上下左右に各々2㎝、書き方は左横書、1行は40字詰めとし、1ページは50行以内、文字は、10ポイントから12ポイントまでとなっています。基本的に、記号や枠線、罫線等を記載してはいけません。
  特許請求の範囲が複数ページになる場合は、右上の余白にページ番号を付してください。【備考 1~5】

図面

図面とは

  図面は必須の添付書類ではないため、不要な場合は作成しなくてよいです。しかし、一般的に図面があると発明が理解しやすい場合が多いので、添付することをお勧めします。
  図面のWORDファイルはこちらからダウンロードしてください。【図1】等の記載の下にイメージを挿入してください。

《関連サイト》  特許庁(出願の手続)     特許庁(図面作成例)     特許庁(図面作成上の注意)

図面の記載方法

  次に、図面の作成方法についてダウンロードした上記ファイルに従って説明します。ダウンロードした図面には、特許庁から転載した図が記載されています。

《関連サイト》  特許庁(図面の作成要領)←図面の記載方法が詳しく書いてある特許庁のHPです

図面の作成方法

  以下の事項に注意して図面を作成してください。

  • 一つの図は、横 170mm、縦 255mmを超えないようにしてください。
  • 図面が複数枚にわたるときは、各ページの上の余白部分の右端にページ数を記入して下さい。
  • 断面を表示するときは、できるだけハッチングを使用してください。
  • 図面に付す符号は、数字又はローマ字にしてください。
  • フローチャートやグラフ、ブロック図等文字を記載する場合の語句は、明細書及び特許請求の範囲と統一してください。
  • 写真も使用することができます。ただし、顕微鏡写真やX写真等であって明瞭なものである必要があります。

要約書

要約書とは

  要約書とは、特許が公開された際に、同業他社が発明の内容を迅速に把握するための書類です。従って、特許が公開された際には、一番上のページに要約書が示されます。要約書は、必須の書類です。
  要約書のWORDファイルはこちらからダウンロードしてください。ダウンロードした要約書には、特許庁から転載した要約書作成例の内容が記載されています。実際に要約書を作成する際の参考にしてください。

《関連サイト》  特許庁(出願の手続)     特許庁(図面作成例)     特許庁(図面作成上の注意)

要約書の書き方

  次に、要約書の記載方法についてダウンロードした上記ファイルに従って説明します。

《関連サイト》  特許庁(要約書の作成要領)←要約書の記載方法が詳しく書いてある特許庁のHPです

【課題】及び【解決手段】

  【課題】には、発明によって解決することができる課題を記載します。【解決手段】には、特許請求の範囲の請求項1の内容をわかりやすく簡潔に記載します。

【選択図】

  発明の内容をもっとも簡潔に表している図面の番号を記載します。ここで指定した図が、特許が公開された際にトップページに表示されます。

注意事項

  要約書の文字数は、400文字以内でなければなりません。。

+ 電子化手数料の納付

  特許出願から数週間後に、財団法人工業所有権電子情報化センターから電子化料金の払込用紙が送付されてきます。この用紙で、1200円×700円×枚数の料金を支払います。

審査請求書

審査請求書とは

  特許は、出願/申請しただけでは、審査されません。審査を受けるためには、「審査請求書」を提出し所定の料金を支払う必要があります。審査請求は、出願日から3年以内に行わなければなりません。
  審査請求書のWORDファイルはこちらからダウンロードしてください。ダウンロードした要約書には、特許庁から転載した要約書作成例の内容が記載されています。実際に要約書を作成する際の参考にしてください。

《関連サイト》  特許庁(出願の手続)     特許庁(審査請求書の作成方法)

審査請求書の書き方

  次に、審査請求書の記載方法についてダウンロードした上記ファイルに従って説明します。

【出願番号】

  特許庁から送付されてきた書面に記載されている、出願番号を記載します。郵送で出願を行った場合は、出願番号が付与されるまで時間がかかるため、出願してから即審査請求はできません。

【氏名又は名称】

  出願人が人の場合は、氏名の横に印を押します。この場合。【代表者】の欄は不要です。出願人が法人の場合は、代表者の欄を設けて代表者の印を押します。【備考 3】
  請求人が2人以上の場合には、以下のように記載します。

【請求人】
    【住所又は居所】
    【氏名又は名称】
    【代表者】
【請求人】
    【住所又は居所】
    【氏名又は名称】
    【代表者】

特許印紙の添付

  左上の余白に請求項の額に応じた金額のの特許印紙を貼付しなければなりません。さらに、その下にその額を括弧をして記載します。
  金額は、118,000円+請求項の数×4000円です(2013年10月現在)。最新の料金は、下記の特許庁のサイトを確認してください。

《関連サイト》  特許庁(出願料金)

電子化手数料の納付

  審査請求から数週間後に、財団法人工業所有権電子情報化センターから電子化料金の払込用紙が送付されてきます。この用紙で、1200円×700円×枚数の料金を支払います。